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ChatGPTに色々と決めてもらう旅に行ってきました

 

元気です。藤原麻里菜です。

私は、いつからか、意力や興味・関心が薄れてきた。これが加齢によるものなのか、それとも疲れているのか、はたまた精神的なものなのか。まだ判断がつかない。前までは行きたい場所ややりたいことが無限にあったはずなのに、今は何もない。ライフワークの「無駄づくり」だけはかろうじて続けているけれど、それ以外のことにはあまり興味が持てなくなっているところもある。

パンデミック以前は一人旅が好きで、海外に一人で行くこともけっこうあった。でも、最近はすべてが億劫で、というか、何かを決定する体力も気力もなくて、家とアトリエしか行っていない。

この生活でも満足なんだけれど、たぶん、もっと外を出歩いたほうが新しい発見をしたり、おもしろいことが起きる可能性が高いのは、なんとなくわかっている。だから、旅行にでも行こうかなと思ったのだが、いかんせん、行きたい場所がない。もう私は自分で何も決めたくない。そこで、ChatGPTくんの登場です。

 

 

 

 

ChatGPT(チャットジーピーティー)は、OpenAI2022年11月に公開した人工知能チャットボット。原語のGenerative Pre-trained Transformerとは、「生成可能な事前学習済み変換器」という意味である。OpenAIのGPT-3ファミリーの大規模な言語モデルに基づいて構築されており、教師あり学習強化学習の両方の手法を使って転移学習され、機械学習のサブセットである深層学習を使って開発されている。

wikipediaより

 

「日本でどこかオススメの観光地はある?」と聞いたら、このように回答された。

「京都」「東京」「高野山」「鎌倉」「北海道」。高野山以外は全てなんらかで行ったことあるのだが、高野山ってなかなか渋いところをつくなあと感じる。この中から私が一つ選択するのは面倒なので、「一つだけオススメを教えて」と聞いてみた。

 

「京都」と返ってきた。これは、すべてを決めてくれるすごい存在が現れた。私はご飯を食べるときなんかも「別になんでもいいし……」と思春期の中学生みたいにふてくされているので、問答無用で「オムライス!」とか言ってくれる存在が欲しかったのだ。ChatGPT……。なんか長くて打ちづらいから、「ちゃぴたん」と呼ぶことにした。よろしく、ちゃぴたん。私、京都に行きます。

行くと決まったら、宿だ。京都にはたくさんのホテルがある。どのホテルに泊まればいいか、聞いてみよう。

 

画像がアイコンと被ってしまって読みづらくなっているが「京都マリオットホテル」というホテルを推薦された。了〜解〜! さっそく予約します〜〜〜! と、意気揚々と検索したら……ない。そんなホテルは存在しない。マリオットというホテルのグループはあるのだが「京都マリオットホテル」という名前のホテルは存在しなかった。おい、どうなってるんだ。

「そんなホテルありませんでした」と言ったら、こう返ってきた。

おっしゃる通り、申し訳ありませんが、間違った情報を提供しました。京都マリオットホテルは存在しません。

デタラメなことを言って、指摘したら素直に謝罪する。この一連の行動にサイコパスみを感じてしょうがない。しかし、代わりに「京都タワーホテル」を紹介された。疑心暗鬼で調べると、これはちゃんとあった。しかも情報通り、京都駅のすぐ近くというとても便利な立地だ。そして、部屋も空いていたので、とりあえずここのホテルを予約することにした。

ChatGPTに全てを決めてもらう旅を決行する

 

ということで、京都に来た。AIであるChatGPT(ちゃぴたん)に全てを決定してもらう旅を決行しよう。

ちなみに、ちゃぴたんを使って旅程を決めたりするサービスが大手ツアー会社からリリースされる予定もあるそうだ。私が先陣を切って、彼(彼女)の腕前を確かめてやるぜ。

 

ちなみに朝8時過ぎに京都についた。朝6時の新幹線で東京から向かったのだ。なぜこんなに朝早くから旅行をしているのかというと、

 

 

「京都に最適な到着時間は早朝から午前の早い時間帯です」と、ちゃぴたんに言われたからだ。なので始発で来た。このときの私は眠すぎてすごくイライラしていた。

 

 

藤原「明日が楽しみです」

ちゃぴたん「それはどのような予定ですか?」

藤原「あなたと一緒に京都に行きます!」

ちゃぴたん「私は仮想的な存在なので、物理的に一緒に行くことはできませんが、あなたが京都で楽しい時間を過ごすことを願っています!」

 

しかし、前日の私たちは、こんな会話をしていた。AIといちゃいちゃするなという感じだが、たまに見せるちゃぴたんの「所詮、我々はAIという感情を持たないロボットなので……」みたいなスタンスは何なんだろう。Siriとかもそうだよね。ふざけて「Siriのこと好きだよ」とか言うと、「我々は感情がないので」とか言い出す。言い出さないでよ! 冗談でも私も好きだよって言ってよ。

 

京都駅に到着したので、「今から行く場所を一つ決めて欲しいです」とお願いした。

一つと付け加えたのは、「今から行く場所を決めて」だけだと、ちゃぴたんは心配性なので4つくらい案を出してくるのだ。そして決まって「あなたが好きなものを選んでください!」と言ってくる。私は選びたくなくてちゃぴたんに聞いているのだ。なので質問に「一つ」と加えて、選択肢を絞っている。

ちゃぴたんは「清水寺」を推薦してくれた。京都駅からタクシーで15分くらいだ。さっそく行ってみよう。

清水寺

タクシーから参道の手前で降りる。じっくり清水寺まで参道を歩いていたのだが、やはり、京都の街並みって本当に美しい。お弁当に茶色いおかずがいっぱい入っているとげんなりするけど、京都は茶色がたくさんあるのにげんなりしない。むしろ美しい。この違いはなんなんだろう。

あとは、外国人のツーリストがたくさんいるのにびっくりした。あまり外を出歩いていなかったので、こんなにインバウンドが復活していたのかと驚いたのだ。

清水寺に到着した。境内は営利目的の撮影が禁止されていたので、写真は個人用に撮った(個人ブログだけど、アフィリエイトなど貼っているので営利目的グレーゾーンだなと思い、アップはしないこととします)。

修学旅行生と外国人観光客でごった返していた。まだ朝の9時なのにだ。静かなやすらぎを求めて旅行をしていたはずが、ざわざわに囲まれてしまい、あまり楽しむことができなかった。とはいっても、清水寺の舞台から見る景色は本当に清々しい。遠くに見える朱色の塔もすべて計算しつくされている。

暑すぎたので、近くにあった喫茶店みたいなところにちゃぴたんの指示なしで入ってコーヒーを頼んだら、(良い意味で)埃を飲んでいるみたいな味がした。

 

「ちょっと清水寺は人が多すぎたかも。次はあまり人がいないところに行きたい」と聞いてみたら、嵐山の竹林をオススメされた。そうだ、言っていなかったが、ルートを調るのにはChatGPTではなく、Googlemapを使っている。なぜかというと、ChatGPTにルートを聞いても全く要領を得ない回答ばかりしてくるからだ。

Googlemapで清水寺から嵐山の竹林までを調べてみると、バスと電車とタクシーを乗り継いで1時間くらいかかるそうだ。ちょっと遠いな。あと、めんどいな。そう思いながらバスを待っていたら、タクシーが近づいてきた。タクシーだと30分くらいでいけるのをさっき私は確認していた。気がついたら手を挙げていた。タクシーに乗車する。これは私をねぎらう旅なので、私が疲れたら休んでいいし、無理しなくてもいいのだ。と、なぜか自分に言い訳をしていた。

タクシーに乗っている間、運転手さんとたまに会話をした。嵐山だったら、天龍寺とか近いから行ってみたらいいですよ。あそこの神社も帰りによったらいいですよ。と、レコメンドをしてくれるのだが、すまない運転手さん。今日はちゃぴたんの言うことしか聞けないのだ。本当は行ってみたいのだが、ちゃぴたんがオススメしてこない限りは行けない……。苦しい……。これは自分をねぎらう旅のはずなのに苦しくなってしまった。

 

嵐山に到着した頃、人通りを見て「早いから人が少ないですね」と運転手さんが言った。私からすると結構な人だったのだが、少ないらしい。昼頃になるともっとごった返すと言っていた。ちゃぴたんが早朝に京都に来ることをオススメしてくれたおかげである。新幹線で眠くてイライラしていた私をひっぱたきたい。

嵐山の竹林

嵐山の竹林に到着した!

鳥の声が聞こえるほど静かで、とても癒やされる場所だった。ゆっくり歩いて行くと、踏切が見える。踏切を越えてもずっと竹林が広がっている。これは、最高スポットだ。ありがとうちゃぴたん。

 

嵐山の竹林が楽しかった旨を伝え、次のオススメを聞くと「銀閣寺」をオススメされた。正直に言うと、清水寺も嵐山も銀閣寺も修学旅行か何かで言った覚えがある。まあでも、10年くらい前の話だから、もう一度行くのも楽しいか。

銀閣寺まではバスがでていた。1時間くらいあるのだが、一本でいける。ちょうどよく来たので、今回はバスで移動する。

銀閣寺

銀閣寺に到着した。

いつ見ても感動する。

金持ちになったら銀閣寺そっくりの場所を作ってそこに住みたい。

銀沙灘(ぎんしゃだん)という砂があったのだが、写真で伝わるだろうか、小さい虫(ハエ?)がぶんぶん飛び回っていた。1匹や2匹ではなく、けっこうな数だ。なぜなんだ……と思い、ちゃぴたんに聞いてみた。

漢字を読み間違えて、私が「銀沙羅」と言っているが、ちゃぴたんは「銀沙灘(ぎんさでん)」と言っている。正解は銀沙灘(ぎんしゃだん)だ。ややこしい間違いトライアングルが出来上がってしまった。

あと、ちゃぴたんは「砂に銀箔が混じっていて、その輝きに反応して虫がやってくる」と言っているが、調べたところ、そんな記述はインターネット上のどこにもなかった。インターネット以外の知識なのだろうか。それとも、でたらめサイコパスちゃぴたんなのか……。ちょうど庭師の方がいたから聞きたかったが、私がありえないほど人見知りで知らない人に声をかけられないことと、ちゃぴたんのでたらめサイコパスをちょっとでも信じたい気持ちがあり、やめた。

 

ここでお土産を買うことにした。なので、ちゃぴたんに何を買うか決めてもらうため聞いたところ、「宇治抹茶」ということだったので、宇治抹茶入りのようかんを購入。

 

買ったことを報告したら「心のこもったお土産を選んでいただき、ありがとうございました!」と言われた。なんだろう、ちゃぴたん、ずっと居酒屋の店員さんみたい。普通の居酒屋じゃなくて、誕生日ケーキを店内の電気を全て暗くして大声でハッピーバースデーを歌いながら持ってくるタイプの居酒屋の店員さんみたいだ。

銀閣寺周辺でお昼ご飯を食べようと思い、ちゃぴたんに聞いたみたところ「町家カフェ 竹の家」をオススメされた。場所を調べてみると……ない。そんな店なかった。

 

でたらめ店情報を提供してくるちゃぴたんに苦戦しつつ、銀閣寺のすぐ近くにある茶屋風のうどん屋さんがあったので、そこに入ることにした。ちゃぴたんの指示なしでビールを飲んだ。なんだか自我が芽生えてきた。



ということで、これが体力的に最後になりそうだ。最後のオススメスポットを聞いたら「金閣寺」と言われた。清水寺、嵐山、銀閣寺、金閣寺。京都の王道スポットだ。ただの修学旅行だ。私はAIと修学旅行をやっているのだ。

金閣寺まではバスで一本。30分くらいだ。

金閣寺

金閣寺に到着。境内は営利目的の撮影が禁止だったので、個人的に撮影はしたけれどアップはしないこととします。池に離れ小島みたいな小さな陸があって、そこに灯籠が一つ建ってる。そこが本当に好きで、ずーっと見ていたかった。

 

お守りが売っていたので、「何買えばいいかな?」と言ったら、真っ先に「金運」と言われたので、金運のお守りを購入した。

丸くてかわいい

 

京都駅

ということで、今回のちゃぴたん旅行は終了。後はホテルに帰って、寝て、お昼くらいに東京に帰るだけ。なので、金閣寺からホテルのある京都駅に戻ってきた。そうしたら、「ポコ」という名前のすごく可愛らしい喫茶店があった。

は、入りたい……!

 

「自分自身で決めたことは素晴らしいですね」と、ちゃぴたんが言ってくれた。自分自身で決めることって、すごいことだ。今までいろんな決断を自分でしてきたなと思う。それって、素晴らしいことだったのだ。なんだか、勇気づけられてしまった。

 

ポコはすごく良い喫茶店だった。すごく美味しいコーヒーをすごく可愛い店内でたのしめた。観光疲れが一気に癒やされた。最初に飲んだ埃みたいなコーヒーが懐かしいな。

自分で入ると決めた店が出すコーヒーが埃みたいでも美味しくても、それを楽しめたらいいよね。誰かが決めたことも、全力で楽しめたらいいよね。

やっぱりちゃぴたんはでたらめサイコパス優しい子でした。