藤原麻里菜のウェブ

藤原麻里菜が書く!

CV   //   無駄づくり   //  Website   //   Contact

古賀及子に学ぶ! おもしろい日記の書き方  |  無駄づくりの学校

今回は、日記の達人である古賀さんに日記の書き方について教えてもらいました。

 

 

無駄かもしれない、けど作ろう。自己表現の無駄づくり学校〜。

『とにかく何かを作ろう』をテーマにモノづくりのノウハウをティーチしていく最先端の学校です! 今日はゲストにきてくれております、古賀及子さんです。

 

古賀さん(以下、敬称略)「よろしくお願いしま〜す」

 

古賀さんは今日も元気です。今日は日記の書き方ということで、日記の達人の古賀さんにお話をお伺いしたいとおもいます。

 

古賀「おまかせあれ!」

 

古賀及子(こが・ちかこ)

2004年よりwebメディアの「デイリーポータルZ」にライターとして参加。

2005年より、同編集部所属。編集の傍、ライターとしての活動も続け、代表記事は『納豆を一万回混ぜる』『決めようぜ最高のプログラム言語を綱引きで』『アイドルの話はプロレスの話に翻訳できるか~文化にも通訳が必要だ~』など。個人の活動として2018年10月後半からはてなブログに日記の毎日更新を開始。

その後noteへ移行し、現在も不定期更新で執筆中ということで、2022年2月に2018年から2022年までの103本の傑作選をまとめた「ちょっと踊ったりすぐにかけだす」を素粒社より刊行。

 

 

古賀「日記の本を出版しました!」

 

藤原「買いました」

 

古賀「ありがとうございます! まさか、日記の本を出してるから、みんな信用して教わってほしい! 本出してっから! そんな人いないでしょ、なかなか!」

 

藤原「ブログで書いていた日記を見て、出版社から声がかかったんですか?」

 

古賀「そうなんです」

 

藤原「めちゃくちゃ面白いんですよ、この日記が」

 

古賀「ありがとうございます!」

 

藤原「ブログでも読めるので、気になった方はブログ、noteでね、読んでほしいんですけど。超日常なんですけど、その超日常が、めちゃくちゃユーモアを含んで書かれているというか。私たちも経験しているような感情とかが言語化されていて、それがすごい面白くてしっくりくるというか」

 

古賀「本当?今日それをどうやって書いてるか、まじで教えるから!」

 

藤原「嬉しい〜!!」

 

古賀「できる!!」

 

「日記のために何かをやる」は禁止

 

 

藤原「そもそもなんで日記を書き始めたのか教えてください」

 

古賀「そもそもは、インターネットって書くところがいっぱいあるじゃないですか。ブログもサービスあるし、noteとかもあるし。SNSも、Twitterもあるし。Instagramで長文書く人もいるし。書くところがいっぱいあるから、書かなきゃ勿体無いなと思ったんです。で、日記って、書くのに準備が何もいらないじゃないですか」

 

藤原「確かに。記事書くってなったら、どっか旅行に行って取材したりとか、私だったら工作をしてという感じですね」

 

古賀「でも日記っていうのは生きてるだけで書けるから。だから、創作物として、参入障壁がすっごい少ないんですよ。書けばいいだけだから。で、『あ、楽だな』と思って書き始めたの」

 

藤原「じゃあ、日記のためになんかやるとかはないんですか?」

 

古賀「絶対ない!! あ、それダメだよ!! 禁止禁止!!」

 

藤原「禁止なんだ。日記のためになんかしちゃいそうだけど」

 

古賀「そうだね、確かにね。でもそれは……ちょっと思ったことなかった! 生きてるままに描くといいと思います」

 

できれば毎日書く



 

古賀「じゃあちょっと日記を書くにあたってのアドバイスなんですが、『できれば毎日書く』っていうところがあって。

日記って書きたくて書いてる人と、あと書かされてる人がいると思うんだよね。

書かされている人っていうのは、夏休みの小学生とか。あとは、日報とか書かされている販売員の人とか、美容師さんとか、そういう人、書かされている人は、結構大変だと思うんだけど。やっぱどうやるかっていうと、毎日書くとどんどん楽になる。

 

で、その時に、1行でいいんですよ。書くのは。朝から晩までのことを全部書こうとすると思い出さなきゃいけなくて、めっちゃ労力がかかるんですよね。だから1行、なんでもいいんです。なんか、思ったこと、1個だけ書く。で、できれば、その1行に対してちょっと膨らましてもいいかな。

 

例えば、昨日私ベローチェっていう喫茶店に行ったんですよ。で、ベローチェ出る時に、醤油差しみたいな……お弁当についてる醤油あるじゃん。あのちっちゃい醤油、あれが落ちてて。で、それくらいのこと。それを、書く」

 

藤原「私、日記書くときにその日のことを覚えてないことがあるんですよね」

 

古賀「そっか、それは多分毎日書き始めると「お!書くことあった!」って思える。それが毎日書くことなんだよね」

 

藤原「じゃあ、メモとか取ってるんですか?」

 

古賀「メモ取ります、写真も撮ります。

で、毎日書いてると、あったことがキャッチアップできるようになるってことなんですよね。だから、そこで毎日1行でもいいから書くというのが重要です。それで、そういったことの前に日記って、自分が書かなくても誰も困らないじゃないですか。だから毎日書けなくなっちゃうんですよね。

でも、やっぱり書いてると楽しくなるし、上手くなる。だから毎日書くのは結構やっぱり大事なんです」

 

藤原「なかなか毎日続けられないと思うんですけど、続けるコツはありますか?」

 

古賀「誰かが待ってると思い込むといいですよ。誰かが原稿を待ってて、自分が書かなきゃ困るっていう風にちょっと思ってみる。それってちょっと図々しいじゃないですか。自分が書いたものなんか誰も待ってないって思うでしょ。でも、そこは図々しくても、待ってるって思って書くと、毎日かける。『あ〜書かなきゃ!』って思えるようになるんです。だから少しプレッシャーに感じてもいいくらい

 

藤原「確かに。私もnotionってやつで日記を書いているんですけど、1つ書くごとにカレンダーのマスが潰されるんですよ。それが、気持ちよくて。書かないと空いちゃうからあーなんか書かなきゃ、埋めなきゃ、みたいな強迫観念があって、日記が続いている部分はありますね。」

 

古賀「そういうこと!」

 

藤原「例えば、小学生とかだったら、先に全部ノートに日付だけ書いちゃうとか」

 

古賀「それめっちゃいいアイデアだと思います。自分に上手いことワクワクするプレッシャーをかけるっていうのはすごいいいと思いますね。」

 

日記はとにかく好きに書け!



 

古賀「でね、今、書かされている人の話をしたけど、書きたいって人もいると思うんですよね。

書きたいから書きたいっていう人、書く意欲がある人は、これすごい大事なんだけど『好きに書いていい』ということを伝えたいです。

文章書き慣れている人って、『こう書いちゃだめ』って結構言われてきた人が多いんじゃないかなと思うんですよね。例えば、人に『ポエムみたいだね』とか『なんかキザっぽいね』とか言われたことがあって、それをちょっと抑えているような書き手の人はすごく多いと思う。でも、日記はそれが良くて、『もうお前のやりたいようにしなよ』っていうっていうカルチャーだと思うんですよ、日記って」

 

藤原「確かに。自意識の放出ですよね」

 

古賀「そうなんですよ。自分のことを書く場所だから、自意識を完全放出させていい。文章に対して、ちょっとネガティヴなことを言われたりした経験があって、押さえつけてる人は、そこをもう外して、忘れていい。もうマジで好きにやろうよと思います。書く意欲のある人に関しては。とにかく好きに書いていい。それで、もう私はいいと思う。教えることはないです。その人に関しては好きなように書いたらゴールって感じかなぁって思うよ」

 

感想禁止



藤原「好きにかけというのはすごく分かるのですが、なんだか自分の文章がしっくりこなかったり、もうちょっと古賀さんみたいにおもしろい日記を書きたいなと思ってます。コツとかってあるんですか?」

 

古賀「そうだね。好きに書いていいんだけど、『了解! 書きまーす』って思った人は、ちょっと卒業していただいて。これまた書かなきゃいけない人や、なんか違うな、もうちょっとこうしたいなと思ってる人にちょっとおすすめなのは、『感想禁止』というルールです」

 

藤原「え〜感想だめなんですか」

 

古賀「いっぺん感想禁止すると、めっちゃ良くなるって思ってて。『楽しかった』とか『美味しかった』とか」

 

藤原「え、書いちゃうけど……」

 

古賀「書いちゃうよね! でもいっぺん禁止してみてください。で、その分何を書くかっていうと見たままのことを書く。見たまま、聞いたままのことを書くんです」

 

藤原「確かに。例えば、『今日キティちゃんの着ぐるみに会った。可愛かった』じゃなくて、『今日キティちゃんの着ぐるみに会った。白くて大きかった』」

 

古賀「そうそう、そういうこと! で、どんな色の服着てたか。あと、その時は暑かった? 寒かった? とか。事実をつぶさに拾って書いていくといいです」

 

藤原「確かに、一気に情景描写になる!」

 

比喩をやる

 

古賀「でね、感想禁止をやるじゃん。これをやった後に、次は比喩をやるんです」

 

藤原「比喩!」

 

古賀「自分の感想を書く前に、先に比喩をやる。

キティちゃんが何みたいだった。例えば、『ふわふわしてお餅みたいだった』とか。いっぺん感想を書く前に先に比喩にすると、より一層情景が文章として見やすくなる」

 

藤原「なるほど」

 

古賀「ここで比喩をやるのよ。比喩ってよく言うが、一体いつやんだ? と思うけれど、ここで登場!

比喩は、余力があったらやると良いです。でね、最後にね、すごいところが見えてくるんです。これを続けると、『自分がどう思ってるかが観察できるようになる』んです」

 

藤原「なるほど」

 

古賀「訓練できてないと思おうとして思っちゃうんです。何か感想を書かなきゃいけない。楽しかったっけな〜? 面白かったっけな〜? 美味しかったっけな〜? て、脳が自分に感想を求めちゃう。

じゃなくって、自分の感想っていうのは、自分の知り得ないところで浮かんでるんですよ。で、見聞きした情景をずーっと書いてると、自分がどう思ったかを自分で観察できるようになるんです」

 

 

藤原「メタ視点みたいな」

 

古賀「そうそう! どんどんメタになっていくわけですよね。だから私の日記も、自分がどう思ったかについては観察して書いたんですよ。だから、それができるようになると、感想が出来事のように書けるようになるんです」

 

藤原「確かに、それが古賀さん文章の面白さというか。いっぱいいろんな登場人物がいるんだけど古賀さんの目線で見てるというよりかは、ちょっと上から観察してる気分になるんですよね。古賀さんの日記って」

 

古賀「ありがとうございます。というかそう、今のが、全部の種明かしなんですよ。私は、メタ的な視点が好きなんですよね。だからそういう趣味のやり方だと思うんだけど、もっとこう、内々から籠る私の情念を爆発させたい人は、どんどん中に潜り込んで考えてもいいと思う。それは、好きに書けっていうこと。でも、情景を書く、出来事を書いていくと、どう思ってるかも観察できるようにんるから、面白くてユニークな日記になるのかなあと思うな」

 

藤原「すごい、めっちゃ勉強になりました。」

 

古賀「うん!」

 

藤原「すごいいい文章が書けそう。」

 

古賀「これもうさ、私こんだけ手の内明かしちゃったから、全員天才になっちゃうから。もう、引退ですよ! 日記書きとして、引退引退!」

 

ということで、今回の無駄づくりの学校は古賀及子さんに登場いただきました。ありがとうございました。日記、書けそう!

 

古賀さんの日記はこちらから読めます

古賀及子(こがちかこ)|note

 

フルバージョンはYouTubeで公開中

www.youtube.com